認知症とごみ屋敷の関係

単なる物忘れとは違う認知症

年齢に関係なく、物忘れをしてしまうことはあります。
ただ年齢が高くなるにつれて、忘れてしまうことが多くなります。

認知症は物忘れと同じと思われがちですが、似ているようで実際には異なるものです。
物忘れは脳の生理的な変化が原因で起こりますが、認知症は脳細胞が死ぬ、また脳の働きが悪くことが原因とされています。

物忘れは単に一時的に忘れてしまう程度で、後になって思い出すことがほとんどです。
しかし認知症になると、経験したことを完全に忘れてしまいます。
後になっても全く思い出せませんし、周囲が思い出すようにヒントを与えても状況は変わりません。
そのため日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。

認知症の特徴について

物事の判断力が低下し、段々とその症状が悪化してしまうのが認知症です。
この症状は複数のタイプに分類されます。
その中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症とされており、この症状はあるたんぱく質によって神経細胞が死んでしまうことが原因です。

認知症の特徴として、善悪の判断ができなくなるなど、判断力が著しく低下してしまうことが挙げられます。
いいことと悪いことの区別ができなくなる、社会のルールが守れなくなるといった症状が見られます。
また家族や近所の人のことを忘れてしまうようになる、今までできていたことがスムーズに取り組めなくなってしまいます。

認知症によって自宅にごみが溜まっていく

認知症になると、何曜日にごみを捨てたらいいのか忘れてしまう場合もあります。
ごみを捨てられなくなってしまい、どんどん家の中にごみが溜まっていきます。
ごみ屋敷の状態になっている高齢者宅は、ごみ収集日を忘れてしまうことが原因で起こることも多いのです。

また認知症になることで、モノをどんどん集めるクセがついてしまいがちになります。
他人から見てごみにしか見えないものであっても、本人にとっては大切なものとして認識していることがあります。
そのためどんどんごみが自宅の中に溜まってしまい、ごみ屋敷状態になってしまいます。

認知症の悪化でごみ屋敷の状態がさらに進行する

認知症は一時的な症状ではありませんし、症状が悪化するケースは多く見られます。
認知症が悪化すれば、さらに物忘れがひどくなり、ごみを捨てることができなくなってしまいます。
また収集癖もさらに悪化し、本来は捨てる必要があるものも家内に置いたままになります。

ごみ屋敷の状態を改善するためには、治療も必要ですし、周囲が積極的にコミュニケーションを取ることも重要になってきます。
また衛生面で悪影響があるので、ハウスクリーニングや不用品回収を行っている業者に依頼をして、現状を改善することも必要になります。