セルフネグレクトという言葉を知っていますか?
ごみ屋敷の問題は今、ニュースでも報道でもよく見るようになりましたし、近隣住民の方々がごみ屋敷に困っている様子を見たことがあるという方も多いと思います。
若い世代が実家がある地域に帰ってご両親と一緒に暮らしたいと願っても、田舎には仕事がなく、結局若い世代は都市部で暮らし、実家ではご両親が暮らすという状態になり、お互いが核家族化しています。
ご両親が両方共に健在でお元気という事ならまだいいのですが、片方がお亡くなりになり、一人となると、家の片づけも清掃もしなくなり、炊事洗濯等もしなくなる方が多いようです。
こうした身の回りのことを自分で管理できなくなることをセルフネグレクトといいます。
炊事洗濯、片付など、常に行ってきたことが出来なくなるとごみ屋敷になるのはあっという間です。
本当にきれい好きで自慢の母だったのに、いつのまにか実家がごみ屋敷となり、非常にショックを受けたという女性のお話を紹介します。
掃除が好き、キレイ好き、自慢の母が変わった理由
まずこの女性のお母さまがきれい好きからごみ屋敷になるなんて想像もしなかったといいます。
常に掃除を怠ることなく部屋はいつもきれいという状態で、そんなきれい好きのお母さまをもって自慢だったという女性ですが、お父様がお亡くなりになってから次第に変わっていったようです。
お父様がお亡くなりになり暫くは心配で実家から2時間以上かかるところに暮していた女性も、頻繁に顔を見せていたようですが、落ち着いてきたのをみて、少しずつ回数が少なくなりました。
お母様もそんなに帰ってこなくていいよと言ってくれていたようです。
次第に仕事が忙しくなり、お盆とお正月に帰省するようになったのですが、このころから部屋が散らかっている、物が散乱しているという状態を目にするようになります。
お弁当の空き箱、ペットボトルのごみなどがそのままで、父の遺品も整理、処分されることなく無造作に置いてあり、明らかに母が変化したと感じたようです。
それからしばらくすると床に新聞や雑誌があふれ、ごみで埋め尽くされた状態で、お母さんが寝ているお布団の場所を除き、山のような荷物、ごみで埋まっていたといいます。
もちろん悪臭があり、害虫の死骸もあちこちに・・・テレビで見るごみ屋敷そのものに女性はひどく落ち込んだようです。
70を過ぎパートナーをなくしたことでこのような状態になってしまったと悩んでいるとき、テレビでセルフネグレクトという言葉を聞き、母の陥っている状態に気が付いた彼女は、急ぎ、清掃業者に依頼し、実家をきれいに清掃してもらったといいます。
お母様は連絡するとどうして余計な事をするのか?と怒っておられたようですが、ごみ屋敷のママでは悪臭がひどく、衛生的にもよくない、またご近所の方にも迷惑になる事から、怒っているお母様をなだめて無理やり清掃を行ったようです。
このセルフネグレクトという問題は、他人事ではなくいつ自分がそうなるか?わからない問題です。
もしもなったら?という事を考えておく必要がありそうです。