借りている家や土地の建物をゴミ屋敷にしてしまったら……

ゴミ屋敷

賃借人は家賃を支払えば何でもしていいわけではない

自宅や土地が自分の所有物でない賃貸物件や借地物件などうっかりゴミ屋敷にようにしてしまった場合大家さんや地主さんとの関係が悪くなってしまいます。(関連記事:「ゴミ屋敷の原因」)
とくに集合住宅の場合、周りの賃借人からクレームが出たり、退去してしまったりする事態になると大家さんや地主さんにとっても無視できない状況になってしまいます。

賃借人には毎月、家賃や地代を支払うという義務以外にも、賃貸した物件や土地を適切に使用しなければならないという義務があります。
ゴミ屋敷にして異臭を放ち、周囲に住む人たちに迷惑をかける行為は、適切に使用しているとはいえません。
たとえ、契約書に「ゴミ屋敷にしてはいけない」という具体的な条項がなくても契約解除理由となり退去しなけらばならないのです。

借地物件の家がゴミ屋敷にしてしまった場合

ゴミ屋敷
画像はイメージです

借地とは他人(地主)から借りている土地です。

借地には借地権という権利があります。
これは、建物所有を目的にした土地を利用する権利のことです。

借地権は借地人(土地を借りている人)を守る法律で、地主さんは正当な事由なく明け渡しを要求することができません。

つまり借地権は借地人(土地を借りている人)を守る法律で、地主さんは正当な事由なく明け渡しを要求することができません。

しかし、ゴミ屋敷にしてしまったことで契約解除となったケースもあります。
ゴミ屋敷になってしまうと、地主さんも周囲から苦情を受けるため、改善するよう勧告されます。
それでも、改善されないと裁判となり、契約解除もありえます。

借地をゴミ屋敷にした場合の裁判例

ゴミを片付けなかったことを理由に契約解除となった裁判です。

借地をゴミ屋敷にし、東京簡易裁判所に対して申し立てをしたにもかかわらず10年以上ゴミを片付けなかったことを考慮して賃貸借契約の解除を認めたものです。

契約を解除できるかどうかはゴミの量や種類、期間、臭い、近隣の苦情、賃借人の対応などから総合的に判断されたものと考えられます。

そのため、ゴミ屋敷になったからといってすぐに解除できるとは限らず、ある程度の期間が経過し、改善の余地がなく信頼関係が破壊されたと認められなければ解除できないと考えていいでしょう。

地主さんとのコミュニケーションをおろそかにしない

建物があって、地代をきちんと支払っていた場合、簡単には契約解除されません。
しかし、ゴミ屋敷になってしまうと話は別です。地主さんや大家さんとの信頼関係が壊れてしまうと契約が解除されてしまうでしょう。
遠く離れている身内が急に退去を求められないように日頃からコミュニケーションを取ることが大切です。