社会問題?セルフネグレクトを理解してほしい
最近テレビでもセルフネグレクトという言葉を聞く機会があります。
直訳すると自分、怠慢という意味になりますが、自己怠慢、自己放棄という意味で利用されている言葉です。
人とかかわる事をせず、健康的に生きるという事にも積極的にならず、生きることについて投げやりになっている状態、自分で自分の面倒が見れなくなっている状態です。
これは、現代社会の闇から出てくる問題ともいわれており、他人事と思わず、自分もこの当事者になる可能性があると考えて理解しておく必要があります。
孤独死という現実待っている場合もある
セルフネグレクトになっている人の多くが、「私にかまわないで」「介入してくれるな」という態度になり、人を寄せ付けない状態になります。
こうした言動を繰り返しているうちに優しかった周囲の人たちも勝手にして!とそのいこじな態度にあきれて距離を置くようになります。
こうした方がいいよ、もっと外出しようと助言しても全く受け入れることが無くなり、友人も知人も、またご家族や親族も近づかなくなります。
既に生きることに消極的、何をする気にもならないため、栄養のある食事をしようとも思わないし、汚くしていても人に合うわけではないからお風呂に入る事もしなくなります。
アルコール、薬物におぼれていく人も多く、体調が悪くても病院にかかることがないので、悪化し、最終的に誰にもみとられることなく孤独死という事もあるのです。
孤独死のほとんどがセルフネグレクト、部屋が散らかりごみが散乱しているという状態だという報告もあります。
孤独死というと高齢者の方の死とイメージされがちなのですが、実は独身者の方がセルフネグレクトになりその後、孤独死するという事も多いのです。
なぜ?セルフネグレクトになるのか?
その原因はセルフネグレクトになっている方によって様々ですが、人間関係のもつれによって引き起こされることが多いようです。
離婚してから自暴自棄になり仕事にもいかなくなった、家族や友人とトラブルをおこし、外に出るのが嫌になった、職場の人と喧嘩をした・・・きっかけは本当に些細な事なのかもしれませんが、人間関係が悪化したことにどうすることもできず落胆し、生きていることの意味を掴めなくなることが多いようです。
また大きな災害の後に生活が大きく変わりセルフネグレクトになるという事もあります。
ご家族を亡くした、伴侶を亡くした、大切な人をなくしたり家をなくしたりした場合に、こうした落ち込んだ感情になり生きることに意欲を見いだせなくなることもあります。
孤独な状態を作らない、人間関係を絞らず複数のチャンネルを持つ
こうした状態になる方の多くが、家族と密な関係にあったり、人間関係が職場のみ、また友人も高校の時に数人に絞られていて、他にいない等、人間関係のチャンネルが少ない人に見られます。
一つしかないチャンネルが無くなってしまったら?自分がそこにいる意味を見いだせなくなることも納得できます。
セルフネグレクトにならないようにするためには、人付き合いを広く求め、孤立しない自分でいること、また周囲も孤立する時間を作らない環境づくりが求められます。