ディオゲネス症候群とは?

社会問題となっている引きこもり

ここ数年で引きこもりの問題は深刻化しています。
内閣府の調査によると、引きこもりは現在では60万人以上いると言われており、その状態も様々です。
不安や抑うつ状態があるとして通院している人もいれば、完全に社会と分断した生活をしているような人もいます。

人によって引きこもりの原因やその状態も異なりますし、引きこもりというのは怪我のように目に見えるものではありません。
そのために、家族はもちろんですが周囲も状況を理解することが難しいですし、なかなか状態を好転させる方法が見つけられないものでもあります。

しかし、最近引きこもりの要因の一つとしてディオゲネス症候群というものが出て来ています。
そこで、ここではディオゲネス症候群というのがどのようなものであり、どのような観点から引きこもりの原因と位置付けられてるのかを紹介していきます。

孤独が引き起こすディオゲネス症候群

ディオゲネス症候群とは老年期隠遁症候群と言われており、主に老年期に見られる精神障害の一つです。
病的ではないものの、注意が必要な症候群の一つとされています。
主な症状として、孤独で不衛生な生活を送ったり、自らの体への配慮を失ったり、外的援助を拒んだり、無意味な収集癖を持ったりというのが特徴的なものです。

これらの症状というのは基本的には加齢によって怒るストレスへの防衛反応の一つであると考えられています。
昨今のゴミ屋敷の問題はこのディオゲネス症候群の代表例であるという考えが濃厚です。
孤独感や空虚感を埋めるためにゴミを捨てることができず、さらに周囲の家から必要のないものを持ち帰ってためてしまう状況が起こると考えられています。

このような症状が起こるのは、周囲との関わりを断絶しているために、自分の気持ちを他者にぶつけられないために起こるということ、そしてそれをうまく処理できず自分自身で処理をしていてこのようなゴミ屋敷ができる状況が起きていると考えることができます。
このような本能的な欲望を自分で補うことで満たしているのです。

引きこもりの生活とディオゲネス症候群

引きこもりの生活とディオゲネス症候群の状態というのは似ているものであるということが昨今言われています。
もちろん、ディオゲネス症候群は老年期の障害であり、引きこもりは若い人を中心に起こっているという点は相反する点です。
しかし、そのメカニズムは似ている部分があるのです。

例えば、不安や抑うつというような精神的な苦痛を抱え、それを感じないために社会との関わりを断絶するのが引きこもりという考え方ができます。
こうして引きこもることによって社会との関わりを断絶するために人との交流をしたい欲求は満たせません。
そこで、インターネットの世界に浸って社会に浸り欲求を満たすのです。